賞味期限や消費期限の決め方

賞味期限・消費期限

商品の賞味期限を決めるときの根拠について伝えたいと思う。お客様に聞かれることもあるだろうから、食品会社の営業パーソンも知っておいたほうがよいことだろう。

賞味期限の設定は、食品製造業者が、科学的、合理的な根拠に基づいて設定することが求められている。

なぜ、この賞味期限に設定したのですか?この賞味期限内であれば安全と言える根拠はなんですか?と問われたら、「賞味期限以上の日数を保存した製品で、微生物検査と官能検査、理化学検査を実施し、問題無い結果が出たため。」と説明することができる。

検査方法

賞味期限の設定は、実際に保管したあと製品の

  1. 微生物検査
  2. 官能検査
  3. 理化学検査

を行って、検査結果に問題がないかどうか確認することで行う。

微生物検査では、保存後の食品に基準値以上の微生物が見られないか検査をする。

官能検査は、味、におい、食感、見た目から、食べるのに耐えられるかを検査をする。製造した直後(保存を始める前)の製品から変化がないか比較をする。1ヵ月保存した製品を官能検査するなら、製造直後の製品も一緒に食べてみて、そんなに変化が無いのであれば、この期間保管しても問題無いとするし、味は悪くなっているし、食感も悪くなっているのであれば、NGとなる。

分析機器を用いた化学的な手法による検査で、水分活性やpH、過酸化物価、硬度などの特定をする。製造した長後の製品を正として、そこからの変化がないか、あっても許容できるものかを確認する。

中小企業で分析機器が揃っていない場合は、

  1. 微生物検査
  2. 官能検査

の2つの検査で設定する会社が多いだろう。

検査品の保存日数の決め方

保管したいと考えている日数を10日とした場合、0.7をかけて10日になる日数、検査品を保管する。通常0.7掛けを行うのだが、日数が長い場合は保管日数がかなり伸びてしまうので、0.8掛けをすることが多い。

0.7や0.8掛けする理由は、賞味期限に余裕を持たせるためだ。実際に検査によって100日保管しても大丈夫としても、この検査時よりも悪条件で保管されてしまうなど腐敗や劣化の進行が速くなってしまう可能性を考えて、余裕を持たせておくのだ。

余談であるが、冷凍の状態では微生物は増殖できない。冷凍保管をしている製品であれば、どれだけ保管したあとでも、微生物検査の結果で問題は生じない。

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