4.1 組織及びその状況の理解【ISO22000】の解説と文書作成方法

FSSC

この記事では、「4.1 組織及びその状況の理解」の解説と、文書の作成方法についてお伝えします。

規格の要求事項

規格の要求事項は次の内容になります。

組織は、組織の目的に関連し、かつ、そのFSMSの意図した成果を達成する組織の能力に影響を与える、外部及び内部の課題を明確にしなければならない。

組織は、これらの外部及び内部の課題に関する情報を特定し、レビューし、更新しなければならない。

注記 1  課題には、検討の対象となる、好ましい要因又は状態、及び好ましくない要因又は状態が含まれ得る。

注記 2  組織の状況の理解は、国際、国内、地方又は地域を問わず、法令、技術、競争、市場、文化、社会及び経済の環境、サイバーセキュリティ及び食品偽装、食品防御及び意図的汚染、組織の知識及びパフォーマンスを含む。ただし、これらに限定されるわけではない。外部及び内部の課題を検討することによって容易になり得る。

これは、外部の課題、内部の課題を明確にして、それを踏まえた上でFSMS(食品安全マネジメントシステム)を運用しましょう、ということですね。

これはFSMS全体に関わるものとなるはずです。たとえば「6.1 リスク及び機械への取り組み」は、「4.1 組織及びその状況の理解」で明確にした外部の課題、内部の課題を考慮して実行することになるでしょう。取り組む必要があるリスク及び機会を選定し、取り組み内容を考案、実施していくことになります。

「7.1 資源」は従業員の力量や工場設備など会社の資源に関わるもので、これも「4.1 組織及びその状況の理解」で明確にした組織内部の従業員の育成、設備管理に関する課題を考慮することになるでしょう。

文書の作成方法

経営層が考えていることを言語化しまとめるというのがよいですが、実際に文書をまとめるのは事務局の人であったりするかもしれません。

FSMSの運用チームに参加しているトップマネジメントと協同して作成するか、事務局が作成した文書をトップマネジメントの承認を得る形になるかと思います。

組織の外部課題、内部課題を色々と挙げて、それらを分類しまとめて整理するのがよいでしょう。

例として挙げると、

【外部課題】社会、経済、政治、市場、競合、顧客、仕入れ先、行政、認証機関、気候変動、SDGs

【内部課題】製品、工場、従業員関連(採用、育成等)、技術、システム、食品防御、食品偽装

などです。

参考になるものとして、上場会社の有価証券報告書があります。企業の状況、事業の状況と題して、外部環境や内部環境の状況に関する記載があります。

たとえば、為替変動、気候変動、ガバナンス、人材育成、デジタル活用など書かれています。また、それらに関する事業リスクの記載もあるので、参考とすることができます。

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