品質管理の仕事には、資料を作成して提出するとか情報伝達のメールを配信するなど、文章を書く仕事がある。そのなかで過去に書いた文章と似たようなものを書くことがあるだろう。
よく書く内容であれば、テンプレートをつくって活用すると、文章作成を速くできるようになる。
作成した文章はテンプレート化する
一度作成した文章は、テンプレート化しよう。
過去に作成したことのある文章は、一から書くことはせず、以前書いたものを利用するのだ。
メールであれば、過去のメールを件名ですぐ検索できるようにしておき、コピーするのもいいし、エクセルにテンプレート文章一覧でまとめておくなどもよい。とにかく文章を毎度入力して作成するのでなく、定型文を作ってしまい、毎回それを使用する。
クレームや社内トラブルが多い会社では、クレーム報告書やトラブル報告書を書いてばかりの品質管理担当の方もいると思う。
クレーム対応では、文章を入力して書類をつくりあげること自体よりも、原因を突き止めて、再発防止対策を打つ、それを継続させることが重要であり、そこに価値がある。
だから、文章作成はとにかくスピードを上げ、報告書作成にとられる時間を減らして、考える部分や実行する価値のある部分に時間を割けるようにしたい。文章のテンプレートをつくって活用することがたいへん役に立つ。
毛髪混入のクレーム報告書の文章
たとえば、食品に多いクレームとして、毛髪混入がある。
クレームの対応は、原因を突き止めて、再発防止対策を打つ。原因と対策を考え、報告書を作成し、お客様に提出する。基本的には、これを行うのみである。
各食品工場での毛髪混入の原因は、食品の中に入っていたのか、それとも表面に付着していたのか、どこの製造エリアで混入したのかによって、文章は数種類のパターンに分けることができるだろう。
卵焼き製品をつくっていて、毛髪混入のクレームがあったとする。完全に食品の中に入っていたのであれば卵を混ぜる工程に、食品の表面についていたのであれば、焼く工程を終えてから包装までの間に、毛髪が製品に落下したわけだ。
そういったパターンごとに、それぞれの文章をまとめておき、すぐに取り出せるところに保管しておくのだ。
食品の中に混入していたときのパターン
「○○製品の生地の中に、○○㎜の毛髪が混入しておりました。○○工程から○○工程にかけて、作業者の帽子から出た髪の毛が落下し、食品の中に入ってしまった・・・・」
食品の表面に付着していたときのパターン
「○○製品の表面に、○○㎜の毛髪が付着しておりました。○○工程から○○工程にかけて、作業者の帽子から出た髪の毛が落下し、製品の表面に付着してしまった・・・・」
このような具合で、テンプレートをつくっておくことができる。
分類してエクセルにまとめておくのがよいだろう。毛髪混入のクレームが発生し、報告書を書く際には、このテンプレート文書を活用する。製品名や毛髪の長さは、その都度記入し、そのクレームに合わせて文書を少し整えれば、使用することができる。
以前に同類のクレームで作成した報告書を探して、その文章を活用するのもいいのだが、若干探す手間がかかる。いつどこで発生したクレームなのか忘れてしまっていると、探すのに多くの時間がとられるかもしれない。
テンプレート専用のファイルをつくっておけば、それを開いて中から使えるのを選べばよいだけなので、探す時間もかからない。
テンプレート化できるものは全てまとめておく
上記したのは、クレームだけの話であるが、それ以外にもテンプレート化できるものは、全てまとめておくのだ。一度作成した文章や資料で、次にまた活用できることがあるかもしれないと思ったものがその対象だ。
最初の手間が面倒だから、やらなくていいやと思うひとは、ずっと毎回毎回時間をかけて文書を書くことになってしまう。
他のページで紹介している単語登録と同じだが、最初に少し手間がかかってしまっても、後で楽になるようにするのが味噌だ。
コメント
[…] ・ムダなことをやらないのがまず第一だが、仕事を速くやるためには、数秒を速くするための工夫を積み上げることも大事ではないかと思う。たとえば、ショートカットや単語登録を徹底的に活用するなどのパソコンスキル、資料作成はいちからつくるのではなく以前作成したものやテンプレートを活用するといった工夫、移動するときに速く歩くといった原始的な方法もある。それぞれひとつの工夫では、大きな効果は望めないかもしれないが、それらを幾重にも積み重ねていくと、何も工夫をしない場合と比べて埋めようのない大きなスピード差があらわれてくるだろう。 […]