FSSC 食品安全マネジメントシステムの構築の進め方

FSSCやJFSなどの食品安全マネジメントシステムを構築し運用する際に、どのように進めていったらよいのか、方法やコツのようなものをまとめました。

この記事ではFSSCを例として、実務を行う現場での具体的な話を書きました。

マネジメントシステムの構築の流れ

簡単にいうと、

  • トップマネジメントの意思表明
  • 食品安全チームの編成
  • 計画の策定
  • 現状を把握し、
  • 文書を作成し、
  • 帳票を整備し、
  • 運用開始する

となります。運用開始後には、内部監査やマネジメントレビューなど、運用開始してしばらく進めた後に実施すべきこともあります。

経営者層が、マネジメントシステム構築・運用や認証の取得に関して、その内容や意義を理解します。そして、全社的に取り掛かることを表明します。

食品安全チームを編成した後、現状を把握し、マネジメントシステムの要求事項を満たすよう、運用ルールを設定し、それを文書にしていくことが始まります。文書ができルールが出来上がってきたところで、それを実際に運用していきます。

※あるいは、すでに自社のマニュアル文書が作成済みでありそれを活かしたいのであれば、この規格の要求事項は、自社のマニュアルではここに該当する、ということがパッと分かるようにしておかなくてはいけません。

計画(スケジュール)

既存の食品安全ルールがあるのであれば、半年ほどでおおよその文書作成、帳票整備は完成すると思います。その後、運用を開始することもできます。

しかし、運用してきた後でないと実施できないことが一部あります。内部監査やマネジメントレビューなどです。それらは運用開始後1年間程度を経過してから実施すべきことです。

内部監査とは、マネジメントシステムをチェックする機能の一つです。要求事項に従って活動が行われているかを確認します。

マネジメントレビューとは、安全な食品を製造するための仕組みが上手く運用されているのかどうか、トップマネジメントによる確認と改善の指示を行うことです。これをあらかじめ定めた間隔で実施します。

マネジメントレビューの要求事項では、「前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況」を考慮することとされています。前回のマネジメントレビューで経営者からの改善指示があった。その結果どうなったのかを振り返るということです。つまり2回は行う必要があります。これらは運用を進めてきたあとのチェックとして行うことです。運用を進めてきた後ではないと、実施することができません。

文書が完成して運用を開始した後でも、実際に運用してみたら上手くできないとか、もっとこのようにしたほうがよいなどの意見が出てくるでしょう。それも会議に上げ、文章内容を変更していきます。

進め方

文書作成の進め方

定期の会議を開き進捗管理をしながら、上記の実施事項に着手します。文書作成は、規格の番号ごとに文書の作成担当を設定し、作成を進めていきます。このときに大事なのは、いつまでに、誰が、作成するかを明確にして伝えます。定例の会議を開くことになるでしょうから、そこで関係者に共有します。

FSSCやJFSのマネジメントシステムには規格番号があります。その番号を羅列し、それぞれの文書を作成していくのがよいでしょう。たとえば、「ISO 4.1 組織及びその状況の理解」その要求事項に沿って自社では組織がどのようなものであり、状況はこうなっている、といった内容をまとめていきます。

エクエルなどの表で、規格の番号とタイトルを一覧にし、担当者と期日を記載します。難しいものを作る必要はなく簡素なもので大丈夫です。たとえば1週間で1人3つの記事を作成する、4つの記事を作成するなど定めます。

文書作成の期限後の会議で、その文書が作成済済みになったのかどうかを確認します。実施されていなかったとしたら原因を聞いて対処をします。不明な点があれば会議内ではっきりとさせたり、単に忘れていたとかであれば再度依頼をし、期限を再設定します。

文書の内容は、会議の中で内容を考えるのではなく、作成担当者を決めて、そのひとが作成をしたものを会議で確認するほうがよいでしょう。

ルール設定や調査等の進め方

文書を作成するときに、既存のルールでは足りないこと、改善しないといけないことが出てくると思います。それは関係する部署であらかた文書を作成しておき、会議で議題にあげてどうするかを決め、そのルール内容で文書を完成させます。

また、資料の収集、調査、実験、検証など、やらないといけないことも出てきます。それらはTo Do リストを作成し、同じく、担当者と期日を書き込み会議で関係者に共有します。

文書作成依頼のコツ 型をつくって渡す

事務局となったひと、品質管理・品質保証部門のひとなどに文書作成の仕事が集中してしまいやすいと思います。しかし、他の製造部門や生産管理部門、購買部門、その他部門にも協力してもらわないと、文書作成者が大変になります。依頼をするときのコツを説明します。

あるいは、品質管理・品質保証部門でも会議参加者だけではなく、そのひとの部下にも文書を作成してもらう場合にも活用できることです。

文書作成を依頼するときに、「この文書を作成してください」だけで依頼すると、作成担当者はどのような文書を作成してよいのか分からず、責任者が求める内容物ができ上がってこない、思ったものと違った文書ができてしまった、なんてことが多くなります。そして、修正してやり直しとなってしまい二度手間で時間もかかり大変です。

それを防止する方法は、型をつくって渡すことです。

事務局のひとが文書作成の責任者であり、他部門への作成の依頼者であるとします。「このような文書を作成したい」という設計図を先に書いてから、作成担当者に渡してそれに沿って作成をしてもらいます。目次、見出しを依頼者が先に書いておきます。補足で、「ここの内容は、この資料を参考にして」など付け加えるのもよいでしょう。

すでに定められているルールもあるでしょうから、「ここ資料にあるこの文章を流用してください」と流用できるものや参照できるものを提示します。これで修正してやり直しとなることを減らすことができます。依頼者自身が考える文書、作りたい文書、それが仕上がってくるように最初にレールをしいておくのです。

経営者の意思

FSSCやJFSのマネジメントシステムを構築し運用していくにあたって、チームメンバーの協力を得てスムーズに進めていくために重要なことは、経営者の意思表明であると思います。

ほとんどの場合でマネジメントシステム構築・運用することは、経営者の考えであるとは思いますが、経営者が「このマネジメントシステム構築する。認証を取得する」ことを目標として掲げることが最も重要です。会社としてこれをやると明示することで、チームメンバーの進むべき方向がはっきりします。それが曖昧になっていると、まとまりのない烏合の衆になってしまいます。

さらに、社長ではなくても、経営者層やそれに近い立場のひとが会議に参加することです。会社の目標としてやることがはっきりしており、経営者層が責任をもって参画しているとチーム全体がその方向に動いていくようになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました