急速冷凍より緩慢冷凍の方が食品の品質は悪くなる

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一般に食品を冷凍すると少なからず品質は劣化すること、また、急速冷凍よりも緩慢冷凍のほうが品質の劣化が進むことを説明したい。

食品が冷凍されると品質が損なわれるのはなぜか?

水が氷になると体積が膨張して氷の結晶ができる。そして氷結晶が大きく成長すると、食品の細胞、組織を傷つけてしまうためだ。

一度冷凍された食品が解凍されると、壊れた細胞から出た水分がドリップとして流れ出し、水分とともに味覚成分や栄養も失われ、食品自体の歯ざわりも悪くなる。

ここで、ひとつ知っておくべきことは、冷凍のスピードによって品質の劣化度合いも変わる点だ。食品の組織を傷つける氷結晶は、ゆっくりとした冷凍スピードほうが大きく成長し、急速な冷凍は氷結晶が小さく成長する。そのため、より品質が損なわれる。

最大氷結晶生成帯

「最大氷結晶生成帯」とは、食品中の自由水が凍結する-1~-5℃の温度帯のことだ(純粋な水であれば0℃だが、食品中の水には、なんらかの成分が溶け込んでいるので、-1~-5℃の温度帯になる)。

食品が冷凍されるとき、この温度帯を時間をかけて通過するほど、氷結晶が大きく成長する。冷凍のスピードが遅いほうが氷結晶が大きくなるというのは、この最大氷結晶生成帯の通過時間の問題なのだ。

冷却速度の大きい急速冷凍

冷却の早い急速冷凍と、冷却の遅い緩慢冷凍と温度変化のグラフを見てみよう。

quality-deterioration-freeze-54-1

急速冷凍のときは、最大氷結晶生成である-1~-5℃の範囲を時間をかけずに、食品は温度を下げていく。

緩慢冷凍のときは、最大氷結晶生成である-1~-5℃の範囲を時間をかけて、食品は温度を下げていく。

そして冷凍状態になる。

すでに書いたように、氷結晶がどれだけ大きく成長するかは、-1~-5℃範囲の通過スピードによるので、

  • 食品の冷凍速度が大きいほど、この最大氷結晶生成帯を早く、時間をかけずに通過することになり、氷結晶が小さくなる。
  • 食品の冷凍が遅くなるほと、最大氷結晶生成帯をゆっくりと通過することになり、氷結晶が大きくなり品質に悪影響を与えてしまう。

最大氷結晶生成帯を短時間で通過する急速冷凍のほうが、緩慢冷凍よりも食品のよい品質を保つことができるといえるのだ。

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