新商品開発のスケジュール作成方法

食品会社で新商品を開発するとき、製造、製品検査、出荷など、時間がなくて期限ギリギリになってしまうことはないでしょうか。毎回毎回なんでこうなるのだろう…と思ったり。

このようになると、ミスや製品ロスが発生してしまったり、本来行わなくてはならない工程をとばしてしまったり、そんなことが起こりやすくなります。

私が仕事をしていたとある食品会社では、当初、新商品を開発するときにはスケジュールも何もないような状態でした。スケジュールをつくって関係門に共有する仕組みが整っておらず気が付いたら新商品開発が始まっています。品質管理担当の私だけではなく、他の部門のひともそれには困っていました。

その後、何年もかかって、少しずつですが、新商品開発時のスケジュール作成が行われて他部門のひとにも共有がなされるようになっていきました。開発から製造開始までスムーズに進めていくために、スケジュールは役立つものでした。

この記事では、顧客の要望を聞いて商品規格をつくり、商品開発、製造、販売を進めていく際、どのようにスケジュールを作成するかを書いていきます。

スケジュール作成に必要な情報

スケジュールを作成するために必要となる主な情報は以下になります。

  • 商品の規格(製品、包装、表示、ロット記載等)
  • 納品日、納品数量、
  • 販売開始日

商品規格は、製品自体はもちろんですが、包装、表示内容も含めてです。

特殊な製造機器が必要な製品であれば、その機器の購入が必要で、納期がどうなるかがスケジュールに関わります。

表示に関しては、印刷ラベルで表示するのか、専用の包装をつくりそこに印字するのかなどによってもスケジュールは変わってきます。

商品を開発、製造し、販売するためにはもっと他の情報が必要ですが、スケジュールを作るだけであれば、上記の情報である程度作れます。

その他にスケジュールに大きく影響を与えないものとしては、たとえば、受注方法、流通の温度帯、納品場所、賞味期限・消費期限の表示方法、製造ロットの表示方法など、あるでしょう。

やるべきことをリスト化したら、それをいつまでにやらないといけないのかは、新商品の販売日によって決まってきます。顧客商品(PB商品)であれば、顧客の企画があり、顧客が要求する規格があります。それを聞いて、試作を行い、製品規格を確定させます。

このときに困るのが、顧客によってはスケジュールがない、あるいはあっても曖昧である場合です。ある大手の顧客の場合、顧客側からスケジュール表が出されていました。そこには、この週には試作品を検証し、この日の会議で商品を確定させる、といったように、やることが具体的で日程も定められていました。当然、販売開始日の記載もあります。この場合は仕事を進めやすいです。

しかし、他のある顧客では、顧客側からスケジュールが出されず、顧客のなかでもあまりまとまっていないように見えることがありました。販売開始日も確定していないような状態です。これだと、後にになってから急に販売開始日が決まり、それに合わせて突貫工事のような仕事が始まったりしてしまう場合があります。大変な思いをするのは後工程のひとであることが多くなるでしょう。スケジュールを立ててそれ通りに進めることをしないと、後工程にシワ寄せがいってしまいます。

この場合は、顧客から言われたままにしたり、顧客から言われないならとくになにもしないようにしていると、後になって期日ギリギリで急いで仕事することになって痛い目を見ます。そうしないと、物事が進まず、ドタバタとして、最終的には後の工程にシワ寄せがいき、後工程の担当者がせかされることになります。そうすると、間違いも起きやすくなります。

急ぎ案件になったことがミスの原因のひとつとなったことがありました。時間がないので仮の規格情報で物事を進めていて、あとで変更がされたことがありました。品質管理のほうではそれに気が付かず表示ラベルが間違いを起こしたことがありました。

顧客のなかでスケジュールが決まっていない場合は、こちら側から販売開始日をヒアリングしたり、一緒にスケジュールを作っていくくらいのことを能動的に行わないとですよね。これは営業や開発担当者の仕事となります。

顧客のなかで、会議にかけてOKをもらうといった工程があるでしょうから、このようなことも聞き出す必要があります。

スケジュール作成

スケジュールを作成するためにやることは以下になります。

  • やることをリスト化して明確にする
  • 販売開始日から逆算してやることの期日を決める

です。

○月〇日までにこれを実施する、○月〇日~〇日の間でこれを実施する、といった具合で、スケジュールを作成していきます。エクセルでカレンダーを作って表を作成するとよいでしょう。そのためには、いくつかの情報が必要になります。

やることをリスト化する

試作する、評価する、規格を確定する、製造ラインでのテスト製造をする、商品の規格情報等を関係部門に伝達する、商品規格書の作成をする、食品表示を作成する、仕入れの手配をする、商品登録をする、初回の製造をする、出荷し納品する

といった各部門での実施事項がありますよね。これまでに新商品開発を繰り返してきているのであれば、やることは分かっているはずですから、それをリスト化します。

販売開始日から逆算してやることの期日を決める

そして、これらの実施日を販売開始日から逆算して考えていきます。

販売開始日が決まれば、納品日が決まります。

納品日と納品数量が決まれば、製造日や出荷日が決まります。検査など関連事項の実施日も含め。

製造の開始日が決まれば、製造するために必要となる原料や資材の手配、表示ラベル作成、商品の生産管理システム登録、製造現場でのマニュアルや使用書類の作成などをいつまでに実施するかの期限が決まります。

それらを実施するためには、商品規格の確定、あるいは製造ラインでのテスト製造実施などが必要ですから、その期日も決まります。

いつまでに試作をしないといけないのか、顧客の承諾が必要であれば、承諾を得て商品規格を確定させなければいけないのかが決まります。

そうしてスケジュールを作成することができます。これらをエクセルで作成した表に記入していきます。※エクセルでなくてもかまいませんが月日の表が見やすいでしょう。

注意点

注意点として、次の2点を挙げておきます。

  • バッファを持たせる
  • 管理者を設置し、途中途中の工程の期日を守る

スケジュールにはバッファを持たせてください。すべてがスムーズにいった場合の期日を設定すると、何か問題が発生したときに取返しがつきません。期日をしては設定しますが、その期日を過ぎてしまったとしても間に合うようなスケジュールにしておくのがよいです。

これまでに書いてきたことは、営業、開発、生産管理、品質管理 など複数部門にまたがっている仕事です。私が何度もこの新商品開発から製造までの流れを経験してきましたが、なんだか各部門が一つになっているような感じがしなくて、バラバラになっているように思うことがありました。その理由は、各部門は自部門を最適化しようと動くからだと思います。当然ながら、周りの部門のことも考えながら動くは動くでしょうが、どうしても自部門のやることをまず考えてしまうのだと思います。これは、私自身がそうだから、そう思うのかもしれません。

新商品を開発し製造開始までもっていくことを一つのプロジェクトだとすると、そのプロジェクトの管理者を設定し、管理者の考えや指示に沿って各部門の担当が仕事するのが望ましいでしょう。管理者をフォローする形です。

そうして、途中途中の実施事項の期日を守ります。

なかなかその管理業務・調整業務だけを行う管理者を設置するのは難しいかもしれませんし、設置することはほとのどないかもしれません。どこかの部門が兼任するような形が多いと思いますが、リーダー的な立場、マネージャー的な立場のひとがいないと上手くことが進みません。

私が以前にいた会社では開発担当者がその業務を行っているような感じでした。明確にこの人が管理者と定められている感じではありませでした。

スケジュールを作成するためにやることは、シンプルに考えると、やることをリスト化して明確にし、販売開始日から逆算してやることの期日を決める、です。そのために必要な情報を営業や開発など新商品開発の上流工程で得て、スケジュール表に明確な期日を落とし込みます。

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