脱酸素剤の効果と使い方

脱酸素剤とは密閉容器の中で、酸素の無い状態をつくり出すものだ。様々な食品の包装に封入されて使われる脱酸素剤について、その効果や使い方を書いていく。

効果

カビの発生を防止、油脂の酸化防止の効果がある。酸素が無いとカビは増殖できないし、酸化も進行しないが、細菌の増殖に関しては、酸素が無くても増殖できる菌がいるので、絶対の効果では無い。

タイプの選び方

包装設計をするときに、脱酸素剤のタイプやサイズを選ぶ。

  • 鉄系の自力反応型
  • 鉄系の水分依存型
  • 非鉄系

に分けることができる。それぞれに特性があるので、使用する食品に対応したタイプを選択する。

鉄系の自力反応型

空気に触れると同時に酸素を吸収し始めるタイプ。食品の水分や油分が多いものは、十分な効果が得られないので、トレーでさえぎるなど、食品に触れないような包装が望ましい。

鉄系の水分依存型

食品から蒸散してくる水分に触れることで、酸素を吸収し始めるちタイプ。水分の多い食品向け。食品に触れているなど、水分の届きやすい箇所に内包する必要がある。

非鉄系

有機系の物質を使用するなどして、金属探知機の検出頻度が低くなっている。

サイズの選び方

包装の容積に対して、脱酸素剤のサイズが小さいと酸素の吸収が遅くなったり、十分にできなくなったりする。

逆に包装の容積に対して、脱酸素剤のサイズが大きいと酸素の吸収は十分にできるが、脱酸素剤が大きいぶん無駄な費用がかかってしまう。そのため、ちょうどよいサイズを選ぶ必要がある。

脱酸素剤の商品名には、「○○-30」とか「○○-50」などと数字がついていて、これが容器内の酸素量をあらわすことが多い。包装容器内の酸素量が30mlであったら、「○○-30」を選んで使用するわけだ。

まずは、包装容のサイズ、および容器内の酸素量がどれだけなのか、はかる必要がある。包装容器内の空気量は、容器の体積か中身の製品の体積を引けば計算できる。

包装容器内の酸素量の計算式

酸素量=〔包装容器の体積ml-(製品の重量g/製品の密度g/ml)〕×0.21(空気中の酸素量)

計算式の中の数値なそれぞれ次のように調べる。

包装容器の体積の調べ方

①箱型の容器の場合

縦cm×横cm×高さcmで計算する。部分的に三角形の場合は、縦cm×((横cm×高さcm)/2)で計算すればよい。

②形の定まらない包装の場合

水を満タンにいれた容器に製品の入った包装全体をつけて、溢れ出た水が何gなのかを計ることで、包装容器の体積を計算することができる。

最初に製品の入った包装の重量をはかる。

→水を満タンに入れた容器につける。

→あふれ出た水の重量を計る(または、容器からこぼれた分を計量カップなどで補充してはかってもよい)

※水1g=1ml

製品の密度

製品の密度は、1g/mlとする。おおよその食品の密度は1g/mlなので、中に入っている製品が100gであれば、体積も100mlと考えて計算する。ただし、食品によっては、密度が1g/mlから離れているので、その場合はその食品の密度を計算につかう。

空気中の酸素割合

空気中の酸素割合は21%だ。容器内の空気量を出して、それに0.21を掛ける。

形の定まっていない包装内の酸素量を計算してみる

包装容器あふれ出た水の量が500ml、製品の重量は200g、製品の密度は1g/1mlである場合、

酸素量=〔包装容器の体積ml-(製品の重量g/製品の密度g/ml)〕×0.21(空気中の酸素量)

の式に当てはめると、

酸素量=〔500-(200/1)〕×0.21(空気中の酸素量)=63ml

包装容器内の酸素量は63mlとなる。

包装材料の選び方

バリア性の高い包装材料を使用すること。酸素が通過しやすい包装材料を使用すると、効果がないので注意。

温度のと酸素の吸収速度

製品の保管温度によって、脱酸素剤の吸収速度は変化する。ふつうは、常温では包装容器内を脱酸素剤にできるとしたら、冷蔵では遅くなり、冷凍すると進行はしなくなる。

包装時の注意点

使用前の確認

食品工場に脱酸素剤が入庫されて、いざ使用するというときに確認したいことがある。脱酸素自体は脱気包装されパックされている。使用前にこの包装がきちんと脱気されているかどうか確認しよう。脱気がされておらず、脱酸素剤が包装されたパックが膨らんでいる場合は、包装内に空気が入り込んでるかもしれない。もしそうなら、脱酸素剤の効果がなくなってしまっている。

また、脱酸素剤の入ったパックを開封し、使い切らずに余った分は、パック内の空気をよく出してピッタリさせた状態で、シールをして密閉し保管しておく。

包装時の確認

背貼りのあるタイプ、ガゼットタイプのフィルム容器は、背貼り部分、折り込み部分に、空気が通過する空洞ができてやすいので注意が必要だ。シーラーの温度が規定値まで上がっているか、またシールをした後、包装にシワなどがないかよく確認しよう。

脱酸素剤を使用しているから、長い賞味期限を設定することがあるが、そこで包装に空気が通過する空洞、また穴があると、脱酸素効果が無いので、腐敗が進行したり、カビが発生してしまう可能性がある。

包装内の空気量の調整

空気中ある21%の酸素は、脱酸素剤によって除去されるため、包装内の空気体積が減少して、包装が若干収縮するだろう。もともと包装内空気の少ない状態だと、ピッタリと脱気したようになることもある。それも加味しうえで、どう程度の空気量で包装するか決めるとよい。