水分活性値を低くすると食品中で微生物が増殖しにくくなる

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水分活性と微生物の増殖

食品中の水は、食品成分と結合した結合水と成分とは結合していない自由水がある。

微生物が利用できるのは自由水だ。食品中の自由水の割合のことを、水分活性というが、この値が高いほど微生物は増殖しやすくなる。

水分活性によって増殖できる微生物が変わってくる。その関係を見てみよう。

☆水分活性値と増殖が阻止される微生物

 0.90  細菌
 0.87  大部分の酵母
 0.80  ふつうのカビ
 0.65  耐乾性のあるカビ
 0.60  耐浸透圧性酵母
0.60未満 微生物は増殖しない

ほとんどの細菌は水分活性0.90以下では増殖できない。カビは、水分活性0.80程度、耐乾性のカビで0.60程度になると、増殖できなくなる。

※一般的な細菌は、水分活性0.90では増殖できないが、黄色ブドウ球菌は生育するのに0.86、毒素産出の下限が0.87となる。

乾燥食品に糸状菌や酵母が多いのは、細菌は発育できなくても、糸状菌や酵母は発育できてしまうからだ。しかし、それも0.60を下回るようになると、発育できなくなる。水分活性0.50以下になると大部分の微生物は増殖できなくなる。

水分活性を低くする方法

水分活性を低くするのに簡単な方法は、乾燥である。

身の回りの食品を見てみよう。乾燥させたものほど、保存性が高まるのは感覚的にわかるだろう。

これは、北アフリカや中東で栽培されるナツメヤシの実についての話。私は、過去に西アフリカを旅行したことがあって、そのときにモロッコのオアシスでナツメヤシの木々を見た。市場や町の商店には、ナツメヤシの実が売られていた。

モロッコの南にあるセネガルやマリに行ったこともある。そこには、カラカラに、カピカピに乾いたナツメヤシが売られていた。この国にはナツメヤシ木々は無かったので、モロッコ方面から運ばれてきたのかもしれない。奥歯で噛みちぎって食べなくてはいけないほど、硬くなっていた。

西アフリカ旅行中は、商店や露店で売られているそのナツメヤシをよく食べたものだが、あれは、何日も日持ちするのではないかと思う。というか、ずっと店先に並べられて、ひとびとの肌を焦がす強烈な太陽光と乾燥した灼熱の風にさらされながら、カラカラに乾燥されながら販売されていた。

ところで、乾燥している食品では、

ドライフルーツは0.6
乾燥めん類、香辛料などは、0.5
クッキーなどは、0.4

くらいの水分活性だ。

このあたりになると、微生物が生育しようがないので、日持ちできる期間が長くなる。脱水・乾燥をさせて、食品の水分活性を低下させることは、原始的な微生物の制御法である。

  • にぼしや干しブドウなどのように天日干し、陰干しなど自然に乾燥させる方法
  • フリーズドライ食品など、人工的に乾燥させる方法

がある。また、

  • 塩蔵、糖蔵

でも水分活性値を下げることができる。

食品に食塩や砂糖を加えると食品の水分活性が低下して、保存性を高められる。野菜の漬物、果物のジャムなどがそうである。ジャムは水分活性0.80程度である。

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