食品トレーサビリティシステムの作り方

食品のトレーサビリティとは何か?またトレーサビリティのシステムを作るときに必要なことをまとめました。

トレーサビリティとは

トレーサビリティ(Traceability)とは「Trace(追跡)」と「Ability(可能性、能力)」の2つの単語を合わせた言葉です。

製品に使用した原料・資材の情報、製造工程での中間製品や再加工の情報、製品の出荷・販売に関する情報を特定することができること

です。

トレースをする情報は様々にありますが主なものを挙げると、

  • 製品に使用した原料や資材のロットの記録
  • 上記の入庫日や入庫時検査の記録
  • 最終製品と仕掛品や再加工・再利用品などの結びつきがわかる記録
  • 製品の出荷情報(数量、出荷先、出荷日など)

です。

ISO 22000では、「トレーサビリティシステムは、供給者から納入される材料及び最終製品の最初の流通経路を一意的に特定できなければならない。」とされています。

ある製造日のある製品に使用した原材料や資材のロットを特定できる記録、入庫時の記録また、製品の最初の出荷先まで特定できる記録が正確に残されており、あとから調べることができるようにするのが、トレーサビリティシステムに求められることです。製造工程での再加工や再利用がある場合には、それらもどこでどのように加工・利用されているのかもトレースできるようにしておく必要があります。

Codex 委員会の定義によると、食品のトレーサビリティ(追跡可能性)とは、生産、加工および流通の特定の一つまたは複数の段階を通じて、食品の移動を把握できること、です。

the ability to follow the movement of a food through specified stage(s) of production, processing and distribution

Codex 委員会とは、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機構)によって合同で 設立された国際政府間組織です。

参考:「食品トレーサビリティシステム導入の手引き」

製品に使用されている原材料や資材がどこから来たのかがわかるし、製造した製品がどこに行ったのかがわかる、ということですね。

トレース可能とする範囲

市販用の食品製造を行う自社があって、仕入れ先、販売先や消費者まで流れを書くと次のようになります。

農場 →原材料メーカー →自社 →物流倉庫 →販売先管轄の倉庫 →店舗 →消費者

ECサイトで自社から直接消費者に販売するときには、自社→消費者の流れになりますし、自社の商品が他の製造会社の原材料として使用されるのであれば、自社→食品製造会社・・・といった流れになります。

ISO 22000では「トレーサビリティシステムは、供給者から納入される材料及び最終製品の最初の流通経路を一意的に特定できなければならない。」とされていますので、自社の最終製品については最初の出荷先まで特定できることが求められています。

どこからどこまでの情報を追えるようにしておくのか?それは農場から食卓までと言われます。しかし、自社から最初の出荷先までは出荷情報をトレースすることができても、さらにその先の情報は自社では保有していないことが多いでしょう。

たとえば自社から物流倉庫へと出荷しているとして、物流倉庫までの流通経路についてはトレースできるとしても、物流倉庫から先の流通経路については自社では記録はなくトレースはできません。この場合は、物流会社にその先の流通経路をトレースできることを求めることになります。また、その先の顧客管轄の倉庫から顧客の店舗、そして消費者への経路については、顧客がトレースをするところになります。

ただ、場合によっては物流会社の倉庫や顧客管轄の倉庫について、情報システムを利用して在庫・出荷情報を取得することができることもあるでしょう。

また、原材料メーカーが仕入れている原材料のロットや流通経路については、これも自社では把握ができません。原材料メーカーが把握し保証をすることになります。

顧客 → 消費者の間のトレーサビリティは、顧客が保証をする部分

農場 → 原材料メーカーの間にトレーサビリティは、原材料メーカーが保証をする部分

と考えることができます。

となると、トレーサビリティを保証できる原材料メーカーや顧客と取引をすることが望ましいです。(ほとんどのメーカーではできていると思いますが。)

製品に不具合があって顧客からクレームを受けたときに、製品のロットがわからない、不明ということがあります。消費者が関わる場合があるので難しいこともあるのでしょうが、これは顧客側でのロットのトレースができていないことになります。

原材料や包装資材に問題の原因があると可能性が考えられる場合、原材料や包装資材の規格書の内容を確認したり、製造会社に問い合わせすることになります。まずは手元にある規格書を見ることになるので、規格書が揃えられており内容も欲しい情報が記載されていることが求められます。

トレーサビリティの目的 なぜ追跡可能にしておくのか?

トレーサビリティの目的のひとつは、食品の事故が発生したときに原因調査や製品回収を行うためです。

その問題がいつ・どこで発生したのか?原因は何なのか?それらを調べるには、原材料や製造工程の情報を正確にトレースする必要があります。製品を回収するには該当する製品がどこに出荷されたのか、現状どこに在庫があるのかといったことを正確に知る必要があります。

製品に問題があった場合に、原因をつきとめたり、製品の回収をスムーズにするためには、トレーサビリティを維持しておく必要があります。

もうひとつの目的は、製品の安全性を証明して消費者の安心を確保するためです。それには証拠が必要となります。原材料や製造工程の情報がなければ、この製品は安全ですと証明することはできません。

トレースバックとトレースフォワード

トレースをするときには2つの方向があります。何か問題が発生した箇所から、時間経過に沿って追跡することをトレースフォワード、さかのぼって移動記録をたどることをトレースバックといいます。フォワードは「前方へ」、「将来に向かって」、バックは「後方へ」、「戻って」の意味です。

顧客が持っている製品に異常があったという連絡をもらったとしましょう。使用原材料に問題があったときに可能性を調べたいときには、ある製品の特定のロットから、使用原材料や包装資材などをたどるのはトレースバックを行うことになります。

逆に、ある原材料や包装資材の特定のロットに異常があったことがわかり、それを使用している製品とその出荷先を調べたいとします。原材料や包装資材の特定のロットから製品をたどるのはトレースフォワードです。

トレースバックとトレースフォワードの両方を行うこともあります。ある製品に異常があったときに使用原材料を調べるのはトレースバックです。調べた結果、ある原材料が原因であったときに、ここから他の製品にも同じ原材料の同じロットが使用されていないか、そして該当する製品があれば製品がどこかに出荷されていないかを調べるとしたら、これはトレースフォワードです。トレースバックのあとにトレースフォワードをしたということになります。

トレースをするために必要となる記録の保存期間

トレースをする際に確認する記録類は、少なくとも消費期限・賞味期限の日付までは保存する必要があります。消費期限や賞味期限の最終日に食品を食した消費者から、期限が過ぎたあとに製品不具合のクレームがあることも考えられるので、消費期限・賞味期限に加えてある程度の期間は保存をすると定めておくのがよいでしょう。

紙で保管している場合、その期間を過ぎたからといってすぐに廃棄をすることは無いかと思います。定めた期間内は必要になったらすぐに取り出せる状態にしておくことが望ましいです。

トレースの対象となる情報

トレーサビリティの目的は、食品の事故が発生したときの原因調査や製品回収のため、また製品の安全性を証明して消費者の安心を確保するため、と書きました。それらに必要となるものはすべて記録に残してトレースできるようにしておくようにします。

トレースをする情報は様々にありますが、重要なものは、

  • 製品に使用した原料や資材のロットの記録
  • 上記の入庫日や入庫時検査の記録
  • 最終製品と仕掛品や再加工・再利用品などの結びつきがわかる記録
  • 製品の出荷情報(数量、出荷先、出荷日など)

であると上記しました。

それ以外に必要な情報・記録は、どのような問題を解決するためにトレースをするのかによって変わります。考えられるトレースの対象は以下のようなものがあります。

  • 製品の出来高
  • 使用原材料、使用包材の入庫記録・・・配送に問題があったときに必要
  • 使用原材料の記録・・・対象の製品に使用した原材料とそのロット
  • 使用包材の記録
  • 原材料の規格書
  • 包材の規格書、SDS、分析証明書
  • 最終製品の規格書
  • 製造の記録全般 とくに重量管理の記録、たとえば刃の点検記録、部品の点検記録など
  • 金属検出機やX線検査機などの異物除去装置の記録
  • CCPの記録
  • 始終業点検記録
  • 清掃記録(対象ライン)
  • 製造ラインの検査記録 ふきとり検査、ATP検査等(対象ライン)
  • 一括表示の確認記録
  • 出荷判定記録 検査記録等
  • 出荷日、出荷先、出荷数量
  • 出荷車両の点検表
  • 出荷温度記録
  • 配送温度記録
  • 再加工品・再利用の使用記録
  • 補助的な使用原料の記録 離型油等
  • 廃棄物処理の記録

これらについて、いくつかポイントを解説します。

原材料、包装包材の入庫記録

ある配送車で庫内温度の逸脱があったなど、配送時に何かしらの原因で納品物である原材料に異常があったとします。○月〇日の納品物に異常がありますと供給業者から連絡があるでしょうから、自社に入庫をした日からロットを特定することになります。

入庫の記録には原材料のロットを記録しておきます。さらに製造の記録に原材料のロットを記録しておけば、入庫日と原材料のロット、その原材料のロットを使用した製品を紐づくようになり、トレースをすることができるようになります。

しかし、原材料メーカーが大きなロットで製造していて、同じロットの原材料が異なる日に入庫している場合には、注意が必要です。

たとえば、4/1の配送分に異常があったとします。4/1、4/2、4/3 の3日にわたって同じロットの原材料が入庫されていて、さらに自社内に保管しているそのロットの原材料が3日のうちどの日に入庫したのかが不明だとしたらどうでしょう。その場合は、すべて異常の可能性がある原材料として取り扱うことになります。

保管中の原材料がどの入庫日なのかの表示する等して管理しているのであれば、より細かく特定をすることができます。

これは包装資材についても同じです。

原材料の規格書や包装資材の規格書もすべて保有しているか

原材料に問題の原因がある可能性が考えられる場には、原材料規格書の内容を確認したり、製造会社に問い合わせすることになります。包装資材も同様ですが、規格書を見たり製造会社に問い合わせするのは原材料のほうが多いです。

基本的には、製品に使用した原材料の規格書はすべて揃えられているはずですが、原材料規格書の内容を確認したときに、その内容に不備がったら困りものです。記入漏れや間違いがないように入手したタイミングでよく確認しておく必要があります。

原材料・包装資材の選定を行うときに、安全性の確認を行ったのであれば、その証拠も保管しておきます。

たとえば、異物の混入があったとします。製品に混入していたとすると、原材料に混入していたか、自社の製造場所で混入したかのどちらかになります。原材料にその異物が混入した可能性があるのかどうかを判断するために原材料規格書に記載された製造工程を見ます。篩いやメッシュを通す工程があったり、該当異物を除去できる機械があれば、その原材料に混入していた可能性は低いと判断できそうです。

原材料に混入していた可能性があったとしても、自社の製造工程で除去できる工程があれば、最終製品に混入していた可能性は低いと言うこともできます。その場合は、製品の出荷後に混入した可能性も考えられます。

これらの記録は保存していつでも見ることができる状態にしておくことが必要です。繰り返しになりますが、有事の際、実際に見て活用する記録は上記したリストすべてを見ることは少ないでしょう。問題解決をするために必要な記録だけを取り出して見ることになるでしょう。

トレースの事例

具体的な問題を挙げて、どのようなトレースを行うのかを見てみましょう。

顧客から製品に異常があったと連絡があってトレースする場合もあれば、原材料に異常があってトレースをすることもあります。

顧客から製品に異常があったと連絡があったときには、該当する製品の製造工程記録の確認、使用原材料のロットの特定、検査記録の確認などがあります。

原材料の異常は工場で使用中に発見することもあれば、原材料製造会社から、原材料に異常があっと連絡がある場合もありえるでしょう。そのときには該当する原材料はどの製品に使用しているか、その製品の在庫は今どこにどれだけあるのかをトレースすることもあります。

ここでは、いくつか例を挙げてどのような情報をトレースするかを解説します。

製品に金属が混入していた場合

金属異物の混入があった場合には、主に以下の記録を確認します。

  • 金属検出機の記録
  • 製造工程で金属破片が発生する可能性がある工程の記録
  • 原材料の金属異物除去工程

金属検出機の記録では、金属検出機が問題なく運用されていたのかを確認します。金属検出機はHACCPのCCPとして設定する会社が、日常の金属検出機の管理がルール通り実施されていることは、日ごろから確認しておく必要があります。

ルール通りの記録が行われておらず間違いが見られる、抜け漏れが見られるような記録表では、該当の日の記録が正確になされていたとしても、信用度が低くなります。

製造工程で金属破片が発生する可能性がある工程の記録は、たとえば、包丁やスライサーの刃の点検記録などです。その他にも金属類について点検記録があれば、製品の製造日に破損がなかったのかを確認します。

原材料由来の混入の可能性をみるときには、原材料規格書で原材料の金属異物除去の工程を確認します。原材料の製造工程で、金属検出機、X線検査機、ストレーナー・シフター、マグネットなど金属異物を除去する工程があるかどうかです。

金属検出機やX線検査機であれば検知サイズ、ストレーナーやシフターの目開きサイズ、マグネットの強さなどの数値を確認します。

嘔吐・下痢があった場合

自社製品を食した消費者の方が嘔吐・下痢をしたと報告があった場合には、主に以下の記録を確認します。

  • 自社製品の細菌検査結果
  • 原材料の細菌検査基準
  • 工程で細菌の汚染や増殖に関連する工程の記録
  • 製品の配送温度記録

自社製品の細菌検査結果では、検査結果に問題がなかったかを確認します。

原材料の細菌検査基準は、原材料に細菌汚染・増殖の原因がある場合には原材料の細菌検査基準がどのようなものが確認するとよいでしょう。自社製品の製造において加熱等の殺菌工程なくそのまま使用する場合には、原材料に存在する細菌が最終製品に影響を与えることになります。これは製品を製造開始する前の設計の段階で見ておくべきことでもあります。

工程で細菌の汚染や増殖に関連した工程、たとえば、加熱殺菌工程の記録、冷却の工程があったときにその温度記録は確認する記録となります。

製品の配送温度は、製品出荷後の配送時の温度が基準内となっていたかどうかの確認です。冷蔵(10℃以下)の温度帯で配送をする製品なのに、10℃を超えていたといったことがないか。

食中毒の原因が使用原材料であると考えられた場合には、その原材料が使用されている他の製品がないのかを確認する必要があります。また、原材料が在庫として残っているのであれば、それは使用停止にする必要があります。

発生状況や保管サンプルの検査結果などから対応を判断していくことになるでしょう。これらの記録は原因を調査するだけでなく、自社の管理がなされていることを証明するものにもなります。

工場で使用中の原材料に異常が見つかった

工場で使用中の原材料に異常が見つかった場合には、主に以下の記録を確認します。

  • 異物の拡散性(同じロット内での拡散、他のロットへの拡散)
  • 同ロットの原材料が用いられている他の製造日の同製品
  • 同ロットの原材料が用いられている他の製品
  • 上記に該当する製品の出荷・在庫状況

原材料の同じロット内で拡散性があるのか、また他のロットへの拡散性があるのかを、異物自他や原材料の製造工程、原材料メーカーの見解などから判断をします。

原材料メーカーに問い合わせをして確認します。発生原因や混入経路が特定でき、そのひとつの異物以外には拡散がないと言えるのであれば、同じロットであっても混入はないだろうと考えられます。

拡散性がある場合、または拡散性の可能性がある場合には、自社の製造工場にある原材料が在庫として残っているのであれば、それは使用停止にする必要があります

その原材料が使用された製品は出荷停止の対象となりえます。また、その原材料が使用されている他の製品がないのかを確認する必要があります。

さらに、原材料に異物混入を発見した製造日だけではなく、その前の製造日の製品についても同じロットの原材料が使われているのであれば、出荷停止の対象となりえます。

異物が混入している可能性のある製品の出荷状況や在庫状況を確認し、出荷停止とするのであれば早急に顧客に連絡をする必要があります。

ロットの考え方

ロットとは、同じ条件で製造された製品の最小単位です。

どの範囲で区切ってロットとするのかは、製造工場の考え方、製造工程での管理方法によって変わります。

食品製造の多くで、原材料を混合する工程があるでしょう。原材料を混合、加熱し、小分け包装しているとしたら、1回の混合ごとに区切って、ロットとすることが考えられます。

使用原材料のロットは混合ごとに記録をします。それを小分け包装した製品とどのように紐づけるかは、包装容器に何回目の混合のものなのかを印字したり、製造順を付して管理することができます。

しかし、製造途中で製品の順が入り組んでしまっていたり、再加工や再利用品などがあるときには、製造順番が正しくなくなることもあります。1回の混合と最終製品を正確に紐づけることができないのであれば、、もっと広い範囲をひとつのロットの範囲とします。たとえば、その1日の製造分です。1日の範囲であれば、使用原材料もわかるし、製品が他のロットと混ざることもないことが多いでしょう。

トレーサビリティを維持するときに、ロットの範囲を狭くすると、コストがかかりますが、問題が発生した際には該当の範囲を狭く特定することができます。ロットの範囲を広くすると、コストはかからなくなりますが、問題が発生した際には該当の範囲が広くなります。製品を回収するとしたら多くの製品が対象となります。

どちらにしても、安全ではない可能性がある製品を回収することはできますので、食品の安全保証においては問題はありませんが、ロットの範囲が広いほうが問題発生時に回収範囲が広くなり大変ですし、本来は問題のない製品まで回収しなくてはいけないことがありえます。

1日に10回混合をしているが1日分をロットとして扱っているとしたら、ある1回の混合に問題があったときに区別し識別することがてきません。1つの混合だけに問題があったのだとしても、丸1日分の製品が回収の対象になります。

どこまで細かくトレースできるようにするのかは、それぞれの会社の製造の仕組みや掛けられるコストによって変わります。

トレース体制の構築

トレースを行うことができる体制を構築するには、上記したトレースする情報やロットの考え方などをまとめたトレーサビリティシステムの文書を作成しておきます。

トレーサビリティシステムの文書の内容としては、次のようなものになります。

  • 製造工程での記録の残し方、どの工程でどのような記録を残すか
  • 仕掛品や再利用品・再加工品などの管理方法
  • 特別な材料の記録の残し方 たとえば離型油など
  • 自社内のロットの考え方
  • 出荷先のトレース

また、トーレス作業のマニュアルとして、

  • どの情報がどの記録用紙に残されているか
  • その記録の保管場所はどこか
  • トレース作業をする担当者は誰か
  • トレースの際の注意点

といった点を簡単にでもまとめておくとよいでしょう。システムにデータ入力し保存管理しているのであれば、その取り出し方やをまとめます。

これは実際にトレースをするときに活用できますし、また教育資料としても使用をすることができます。

トレースの際の注意点というのは会社ごとの管理方法によるものがあります。たとえば、あるロットに問題があったときに、ロットの区切りが明確ではなくて他のロットにも問題があると判断する場合があります。

製造で余った仕掛品を次の製造に再利用しているとしましょう。ある製造日の製品に問題があったとしたら、それが仕掛品として使用されている次の製造日もトレースの対象になります。それがわかるような記録をとっておくべきですね。

あるいは、基本的には混合ごとにロットを分けているが、少し混ざる部分があるときには、2つのロットが混ざっていると判断するようなこともあるでしょう。

シチューの製造工場で、複数の窯で同じシチューを混合して加熱する、包装機は1台で製造をしている工場で、1回の混合・加熱ごとをロットの範囲として、包装袋にロット記号を表示しているとします。包装機が1台ということは、ある窯のシチューを包装するときには、その前の窯のシチューが少し包装機内に残っているはずです。包装開始して前の窯のシチューを押し流すまでは、包装袋内に少し前の窯のシチューが含まれるでしょう。その包装袋には2つの窯のシチューが含まれているということにする、といったようなことです。

特定の誰か1人だけではなく、できる人を複数人つくっておきましょう。できる人が1人しかいない状態だと、その人が不在のときには何も対応ができなくなってしまいます。

そのためには、トレースの訓練をします。模擬回収(モックリコール)と合わせてやるでもよいです。定期的にトレースの訓練をして、記録の不足点や保管状況がないかを確認し、もしあれば改善をするようにしましょう。これまで気が付いていなかった点を見出せることができたり、トレースができる担当者を増やすことができると実りがある訓練になります。

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