食品会社の品質管理の仕事内容

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これから食品会社の品質管理をしようと思っている方、品質管理の仕事を始めたばかりの方など、食品会社で品質管理の仕事について知りたい方のために、その内容について書いていきたい。

食品の検査

毎日、製造する食品の細菌検査や、味やにおいなどをみる官能検査を行う。食品の腐敗は細菌の活動によって起こるし、ひとは食中毒を起こす細菌が一定数以上いる食品を食べると、食中毒を起こしてしまう。食品の中にどれだけの細菌がいるか、どんな細菌がいるかは、食品の安全性を評価する指標になる。

食品の種類によって、細菌検査で見られるこの細菌数は○○以下でないといけない、この細菌の数はゼロでなくてはいけないといった、法律的な決まりがある。

食品の検査をして、この基準におさまっているかどうかを確認するのが、食品の細菌検査である。

日々製造している食品の味が、いつもどおりの味かどうか、おかしなところはないかどうかを確認をするのが、官能検査だ。

細菌検査でも、官能検査でも、基準を越えてしまい許容できない場合には、その検査品と同じロットの出荷を停める。そして原因を調べて、再発防止の対策を考えて実施する。

製造現場を拭きとって検査

食品の腐敗は細菌の活動によって起こり、ひとが食中毒を起こす細菌が一定数以上いる食品をひとが食べると食中毒を起こす、と上に書いた。

いつもは細菌の発生しない食品に、細菌が見つかった場合、製造現場での汚染が原因として考えられる。

製造現場の作業テーブル、機械、道具、ひとの手などを拭きとって、そこに細菌がいないかどうかをチェックする検査が拭き取り検査だ。もし、ある場所に細菌が見られたら、そこから食品に細菌が移り、食品が汚染されることが考えられる。

作業道具に細菌がいたのであれば洗浄不足、ひとの手に細菌がいたのであれば手洗いの不足や作業途中のアルコール消毒の不足などが考えられるので、そういった点を是正していく。

商品の規格書の作成

自社でつくった商品がどのようなものなのかを取りまとめた書類を、商品規格書という。商品を販売し始めるときには、かならずお客様から提出を求められるものだ。この商品規格書を作成する業務がある。

会社によってこの書類の呼び方は異なる。商品仕様書、製品規格書、製品仕様書などいくつかある。

この書類には、製品の重量や包装容器内の入数、原材料配合の内容、含有アレルギー物質など、商品に関することの多くが記載される。

一括表示の作成

加工食品のパッケージには、食品の原材料や内容量、賞味期限など表示がされる。これわをまとめて一括表示といい、品質管理担当がこの作成業務を行う。一括表示はラベルシールに印字し、それを商品包装に貼ったり、包装のデザインに一括表示をいれるなどある。

ラベルシールは専用のプリンターがあるので、そのプリンターにデータを入力し、ラベルシールをつくる業務になる。

包装容器に一括表示を印字する場合は、包装のデザインは外部の業者に依頼することになると思うが、包装の一括表示を含めたデザインを、外部の業者とやり取りして、進めていく業務も、品質管理が行うこともあるだろう。

クレームの対応

自社で製造した食品を召し上がったお客様から、「食品に異物が入っていた」、「規定の重量よりも軽かった」といった苦情を受けたときにその対応をする。

なぜ、それが発生してしまったのか、どうすれば今後発生させないようにできるかを、製造部門とともに考え、実践していく。

お客様から求められれば、クレームの内容、原因、今後の対応をまとめ、調査報告書を作成し客様提出する。会社にもよるが、社内向けにも報告書を作成し、関係部署に回覧する業務などあるだろう。

虫のモニタリング

工場内に多数の虫が存在していると、そこで製造している食品に虫が混入してしまう恐れがある。

工場内に虫を捕獲するトラップを設置し、侵入してきた虫を捕獲すると同時に、どのような虫がどれだけ捕獲されたのか点検する業務がある。

その点検で虫の発生が多数見られた場合は、その虫を低減させるための対策をとる。

たとえば、チャタテムシという虫が大量に発生していることがわかったとしよう。

チャタテムシはカビを食する虫なので、発生箇所付近にカビが発生していて、それを発生源としてこの虫が増えてしまった可能性が高い。だとすれば、そのカビの生えた場所を探して、清掃を行い、カビを除去することが、チャタテムシ発生の防止対策になるわけだ。

このようにして、虫のモニタリングとその結果を見ての対応を実施していく。外部の防虫業者と協力して進めていくもので、モニタリングの実務は、品質管理担当ではなく、外部の防虫業者が実施をするかと思う。

衛生指導、教育

製造現場で食品を製造する従業員に、食品衛生に関する知識をもってもらった上で、仕事をしてもらわなくていはならない。

新してに者には、作業服の着方、帽子の被り方といった点から、手の洗い方、製造現場での食品の扱い方、そのほか作業時の注意点まで、教える。

既存従業員には食品衛生や、アレルギーについてを講義して教育したり、製造現場でも指導を行ったりする。

マニュアル・ルールづくりと遵守状況のチェック

衛生管理マニュアル、製造マニュアルなど、各種マニュアルやルールを策定する。と同時に、それらが守られているかどうかをチェックし、もし守られていないのであれば、その従業員に指導する。

工場内の監査

製造現場を見て回り、改善すべき点がないか探し、あれば改善を指示する業務だ。

たとえば、

  • 清掃不足で汚れが目立つから、ここを掃除してください
  • 保管期限が過ぎた食品原材料が置かれているので、すぐに廃棄してください
  • 製造記録の書き方が悪いので直してください

製造部門に対してこのような改善を要求する。

お客様の監査対応

食品製造を行っている自分たち工場が、衛生的かどうか、異物混入など危険性がないかどうか等を見るために、工場を監査することがある。その監査の対応は品質管理が行うことが多いだろう。

仕入れ品の不具合への対応

仕入れた原材料の中に異物がっていた。包装資材が破れてしまっていた。表示が間違っていた。

などなど、仕入れ品に不具合があったときに、その仕入れ先または製造会社に連絡をし、不具合が発生した原因調査や再発防止の対策を実施してもらう。要するにクレームを出すということだ。

原材料メーカーの工場監査

仕入れた原材料に不具合があって、再発防止の対策をとってもらったとしよう。その際に、工場の中を実際に見て、対策が実施されているか確認をすることがある。

データ分析

クレームや、工場内で発生した問題など、データをまとめ、整理したり分析したりして、製造部門へフィードバックする。たとえば、クレームであれば、その種類ごとに件数を出したり、月ごと、期ごとに発生件数をまとめるなどする。

そのほかのさまざまな問題をとりあつかう

中小企業では、そのほか諸々の問題を解決するために動くことがある。

 

ここに書いた業務を進めていくにあたって必要となる知識は、業務のなかで学んでいくことに加えて、書籍でも学んでいくのがよい。食品の品質管理担当者が読んでおきたい本の記事が参考になればうれしい。

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