なぜ棚卸を行うのか。その理由

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モノを保有している会社であれば、必ず毎月毎月、あるいは1年に1回、棚卸が行われる。メーカーであれば、倉庫に保管してある原材料や完成製品、製造途中の仕掛品、包材など、一つ一つ数えて、今この時点で会社の中に、何がいくつあるのかをはっきりとさせる。

一つ一つ数えていくのだから、それは大変な作業である。なぜ、こんな大変なことをしなければならないのだろうか。それにはこんな理由がある。

  • 損益計算書に記載する原価の計算に活用する
  • 貸借対照表に記載する棚卸資産の計算に活用する
  • 在庫の管理状況を確認する

 

損益計算書に記載する原価の計算に活用する

月ごとで決算書を作成し、この月では、売上がいくらで、製造原価はいくらかかっている・・・等々、管理者が確認をする。通常、各月に目標となる売上や原価として予算をたてるので、その予算に合っているか、原価がかかりすぎていないか、もしそうであればなぜなのか、それは解決できるのか・・・

管理者や経営陣がその損益計算書を見て、今月の収支を見て、現状確認をして次なる施策について考える。それを毎月繰り返して、PDCAサイクルを回していく。

そのためには、どのくらい原価がかかっているのかを数字として出さなければいけない。製品に使用した原料原価は次の式で計算をする。

原料原価=期首棚卸高+当期仕入れ分―期末棚卸高

月の終わりに棚卸を行えば、期末の棚卸在庫の正確な量がわかる(期末棚卸高)。

期首棚卸高は、先月の期末棚卸の量とイコールである。これに今月仕入れた量を足して、今月の期末の量を引けば、今月使用した原料の正確な量がわかる。その期間の売上に対する原料原価を算出することができる。

棚卸で間違えを起こしてしまうと、今月に使用した正しい原料の量がわからず、損益計算書も間違ったものになり、原価や利益を正確に把握できず、現状を知ることも、これらのことも考えることができなくなってしまう。

貸借対照表に記載する棚卸資産の計算に活用

貸借対照表では、資産の欄に棚卸資産として計上される。今現時点で、会社が資産として何を持っているかが記載されており、原料を保管しすぎていないか等確認をする。

在庫とは、会社のお金が形を変えたもの。原料在庫から製品をつくって、製品在庫を販売して売上金を得るのが、在庫量が多すぎると手持ちのお金が少なくなってしまうので、あまり好ましいことではない。

こういったことを確認するために、正確な在庫量を得る必要がある。

在庫の管理状況を確認する

モノが会社に入庫されるときには記録をつけるのは入庫記録だ。在庫を持ちだすときにも記録をつける。これは出庫記録。

帳簿上の在庫数量は、実際の数量と完全に一致しているはずなのですが・・・、それがなかなかうまくいかない。帳簿上の在庫と棚卸で数えた数量がずれてしまう。小物であれば紛失してしまうこともありますし、社員がとった記録が間違えている場合もある。帳簿上の数字が間違っているのではなく、棚卸で数えたのが間違っている可能性もある。

仮に、帳簿上の在庫数量と実際の数量が毎回完璧に同じであれば、棚卸を行う必要はないことになる。棚卸は、結構な労力がかかるので、行わなくていいようにできるならそうしたいものだ。

また、改めて在庫を確認することで、保管に関する問題を見つける目的もある。ここの区分けがおかしいから直そうとか、ずっと使われていない原料を見つけたとか、期限が切れそうな原料があったから早く使おうとか、保管状況を改善する手がかりを見つけることができる。

 

このように、棚卸業務にはきちんとした目的がある。棚卸で数えた数字が、会社の経営者が見る経営情報につながっているわけなので、とても重要な仕事だ。棚卸で一つ一つ数を数える人こそ、こういったことを知った上で棚卸業務に取り組んでいくのがいいだろう。

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