クレーム対策で大事なことをシンプルに考えよう

クレーム

食品にかぎらずクレーム発生後の対策でもっとも大事なことは、再発を防止することである。それを会社として徹底的に実行していかなくてはいけない。

しかし、同じようなクレームを繰り返し発生させてしまい、悩んでいる品質管理担当者もいるかと思う。シンプルに考えて、クレームの対応に当たるようにしたい。

クレーム発生の理由

同じクレームが再び発生する理由は、シンプルに考ると、

  1. 再発防止対策がよくない
  2. 再発防止対策はよいが、実行・継続されていない

のどちらかである。

再発防止対策が間違っている

再発防止対策が間違っているというのは、再発防止をするために考えて対策を実施したが、

  • 発生原因を正しく認識できていないのでトンチンカンな対策を講じた
  • 原因は正しく認識できたけれども、単にチェックを強化しますといった意味のない対策を講じた

といった場合である。

このような対策が実行されていたとしても、クレームの再発をくい止めることはできないだろう。

再発防止対策はよいが、実行・継続されていない

再発防止をするための対策が的を得たよいものであったとしても、現場において実施・継続されていない場合である。

最初からまったく実施されないということは少ないだろう。クレームが起きて対策を定めたばかりの時には、その対策が実行されていたが、しだいに担当者の気が抜けていき、やらなくなってしまったということが多いだろう。継続は簡単ではない。

そして、また同じようなクレームが発生してしまうのである。徹底されていないとこうなる。ここでいう徹底するとは、やるべきことを、やるべきときに、やることである。

正しい原因追及と対策

原因追及するときには、表面的なところで止めてしまってはいけない。たとえば、ある新人が単純なヒューマンエラーによって発生した不良であったとしても、「その人の注意が不足していた」だけで終わらせてはいけない。

では、なぜその人は注意が不足していたのか。

新人で大事なポイントを教育されていなかったからだ。

ではなぜ教育されていなかったのか…。

と、どんどん掘り進んでいくべきだ。ここを改善すればすべてがよくなるというような真の原因につきあたるまで、考え続けるのである。

対策を考えて実施していく時のポイント

当事者を巻き込んで対策・ルールを設定する

クレームの発生個所で仕事をする当事者が、当事者意識を持っていない状態になるのはまずい。

製造部門の長や品質管理が決めた対策を押し付けるだけだと、製造現場の人は当時者意識を持ちにくい。

実際にその対策を実行するひとも交えて、対策を検討する。

人から決められたルールを頭上から押し付けられるよりも、自分で考えた対策のほうが実行するに決まっているのだ。当事者を巻き込んで対策やルールを設定しよう。

やりにくくないか?

効果があるが実行するのに難しいことだと、めんどうになってやらなくなってしまうだろう。実行のしやすさもよく考えるべきである。

品質管理がしつこくチェックする

品質管理は、現場担当がやるべき対策が実施されているかどうかチェックすることになる。

まず、その対策やルールの重要性をきちんと当事者に伝える。対策・ルールが行われているかどうかをチェックする。やっていますか?できていますか?とチェックをする。やるべきことをやるべき時にやっているか?これを見るだけである。

対策・ルールが適切なものであり、それが実施されているのであれば、過去と同じクレームは起きないはずである。

大事な点は、執拗さであると思う。

  • チェックポイントをリストアップする
  • チェックをする
  • できていない箇所は指摘する
  • その記録をみんなに見せやってもらう

これを執拗に繰り返していけば、定着していくだろう。

これは、私が仕事をする会社での話だ。クレームが発生して、その対策として定められていたことで、あまり実行できていなかった。そこで、上の簡単なサイクルを何度も繰り返してみると、当事者は実行してくれるようになっていった。

クレーム対策といっても難易度が極端に高いことが要求されるわけではない。やるかやらないかの話である。

結局、同じクレームの再発を防止するには、クレーム対策として定めたこと、やるべきことをやるだけである。これをどれだけ徹底できるかがクレームの再発が起こるか起きないかを決める、という当たり前の結論に帰結する。

コメント

タイトルとURLをコピーしました