しんどいクレームを前向きに面白がれるかどうか

クレーム

クレーム対応をするのは、きついこともあるし、どうしても後ろ向きになってしまうことがあると思う。

そのようなときには、関根眞一氏著「となりのクレーマー」を読んでみることをおススメしたい。

この本は、百貨店のお客様相談室でクレーム対応業務に従事していた関根氏が、クレーム対応での経験をもとに書いた本だ。百貨店を退職した後は、苦情・クレーム対応のアドバイザーとして仕事をしている。

「となりのクレーマー」を読んでいるとこんな言葉があった。

「だいたい(百貨店の)お客様相談室は、企業の社員のアンケートでは、常に行きたくない職場のトップです。しかし、私は、これほど面白い職業もないと思います。人が文句を言うさまは、なかなかまともに見ることができないわけで、その対応のために、その場で立ち会うのであるから、リアリティ―があり、言葉はおかしいですが楽しいとすら感じられます。」

ほかのひとが嫌がって敬遠するクレーム対応を、前向きに良い意味で面白がって取り組んでいたのだ。

いわゆるクレーマーの対応や、お客様と言い合いをしてしまった経験など、多数のクレーム対応の経験がそのときの会話内容とともに書かれていて、その現場の雰囲気や、そのときの関根氏とお客様の心の動きが伝わってくる。

百貨店でのクレーム対応と食品会社でのクレーム対応は同じではない。しかし、食品会社でクレーム対応するときにも関根氏の姿勢から見習える部分があるのではないかと思った。

それは、楽しむとまではいかなくても、興味、好奇心を持って仕事をするということだ。

食品の不具合は、お客さんに健康被害を及ぼすものであるので、大真面目に最善を尽くすのは当然だ。その真面目さと同時に、子供のような探求心を持てると面白く感じるように思う。

原因がわからないクレームがあったときに、これはなんだろう?と興味を持ち、仮説を立てて検証したり、しつこく探しまわしたりして、なぜ発生したのかがわからなかったものを、原因を発見できるとうれしくなる。

クレーム対応は、当たり障りのない対応で終わらせるたほうが簡単に済むこともあるけれども、深くまで踏み込んでみたほうが面白くなるだろう。

しんどいだけのクレーム対応だと疲弊していってしまう。その中にどうやって面白みを見つけるかである。

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