クレームを出す際に気をつけるべき10のこと

  • 原材料などの仕入れ品に不具合があることを発見し、仕入れ先や製造会社にクレームを出すことがあるだろう。

この記事では、その時どのようにクレームを出したらいいだろうか?と疑問を持つ方に、クレームを出す際に気をつけるべき10のことをお伝えしたい。

クレームを出すときには、逆の立場で考えてみるとよい。

あなたが食品製造会社の品質管理担当であれば、お客様から自社製品に対するクレームを受けたときには、その発生状況や製品の製造ロットなどをお客様に聞いて確認する。

このときに、お客様が発生状況を把握していなかったり、製造ロットが表記された包装を捨ててしまっていて製造ロットが不明であったりすると、あなたは困ってしまうだろう。

それでは、あなたの会社で仕入れた品に不具合があったときにはクレームを出す場合を考えてみよう。上記とは逆の立場になる。

クレームを受ける相手がどのような情報を必要としているか想像するればわかるはずなのだが、逆の立場になると怒り任せに文句を言うだけで、相手への情報伝達が不足していることもあるだろう。

クレームを出す前に、落ち着いてしっかりと確認しておくべきことがある。この記事を参考にしていだだけるとありがたい。

1.クレームを出す目的を知る

仕入れた商品に問題があったときに、供給会社にクレームを出す目的はなんだろうか?納品された商品に不具合があって使えないので、至急代替品を納品してほしいとか、製造会社に文句を言いたい、といった点を思い浮かべるかもしれない。

しかし、クレームを出す一番の目的はそこではない。

この問題を今後、再び発生させないようにすることを一番の目的にすべきだ。

不具合のある原材料と使ってしまい、あなたの会社が製造する食品にも不具合が発生してしまうと、消費者に被害を与えてしまうことになる。たとえば、原材料に異物が混入していて、それをそのまま使用して食品を製造し出荷してしまった場合などだ。

また、クレーム対応のやりとりでは、クレームを出す方・受ける方ともに様々なやり取りで時間を消費する。

これらは社会的な損失だ。これを無くしていくべきなのだ。

再発させないための対策をするためには、不具合品をつくった製造会社が再発防止するために必要となる情報をできる、限り正確に伝えることだ。

2.基本的な流れを知る

  • 発生状況など情報をまとめる
  • 製造会社または納品業者に連絡
  • 現物を製造会社に送付、または引き取りにきてもらう
  • 製造会社に問題の原因を調査し、対策を打ってもらう

といった流れになる。

3.不具合品に関する情報を把握すること

商品名、賞味期限、製造日、ロット記号などを、間違いないように把握する。

不具合の種類もよるが、製造会社にとって製造日・賞味期限の情報は重要である。

記録書類をたどったり、カメラで録画したビデオを確認して、原因を探ることがあるが、製造日がわからないと、それができなくなってしまう。

包装パッケージは、製造日または賞味期限の表記があるので、保管しておいたほうがいいということだ。

4.まず自社で発生した可能性がないか考える

例えば、食品会社で仕入れた原材料の中に異物が入っていたと社内報告があったとしても、まず自社内での混入はないか疑ってみるべきではある。

自社で混入したものなのに、原材料製造会社に罪をきさせてしまうことには注意したほうがよい。

逆の立場の話で、お客様からクレームを受けた時に話だ。

緑色の細かい異物が付着しているとお客様からクレームを受けたことがあった。現物を確認すると、パセリのような緑色の小さな葉っぱであった。

その製品の製造現場では、葉っぱに類するものは使用しておらず、葉っぱが付着した製品を出荷してしまうことは、まずないだろうと考えた。

お客様の店舗では、仕入れた食品を包装から取りだして、むき出しのままで陳列ブースに並べ、注文があったら陳列ブースからとって皿にのせる。

包装開けて製品を取りだした瞬間に、葉っぱが付着していたのを見つけたのであれば、自分たちの製造会社で包装をしたときにはすでに付着していたと断言できる。

しかし、お客様店舗の店員が発見したのは、店舗の陳列ブースに並べて、その後注文があって陳列ブースから取り出したときであった。

店舗を見に行ってみたのだが、そこでわかったことは、クレームを受けた商品が並ぶ場所があって、そこ横にはパセリが使用された別の商品が並んでいたのである。お客様の店舗内で別の食品からパセリが移ってしまった可能性が考えられた。

自身の店舗で混入した可能性を考えることなく、製造会社に連絡してしまったということだったのだ。

製品に異物が付着していた、混入していたなどの問題を発見したときには、そのときの発見状況を把握すると同時に、自分たちのところで発生した可能性がないかどうか、一度考えてみることが必要である。

5.発見時の状態でそのまま保管する

仕入れた品に問題があったときには、該当品を確認してもらうため製造会社に連絡し、現物を送付するか、引き取りにきてもらうことになる。ここでは、発見したときのそのままの状態にしておくことが大事である。

商品をいじくりまわしてしまうと原因を特定するための情報が失われてしまい、原因を推察レベルでしか語れなくなることがある。

食品の中に異物が混入していたとしたら、その異物を掘り出したりせずに、基本的にはそのままにして保管しておき、連絡をしよう。

食品のどこにその異物が付着していたのかによって、製造現場のどこの工程で混入したのかが異なる場合もある。(逆に、異物を取り分けたほうがよい場合もあるのだが、それについては下に書いた)

このような経験がある。これも逆の立場でクレームを受けた時の話だが、製品に小さな異物が付着していたとクレームを受け、異物を送ってもらったら、異物だけがセロハンテープで挟まれていたことがあった。

無くならないようにと配慮をしてくださったのだと思うが、非常に小さい異物をセロテープで挟むと上手くはがせず、異物が壊れてしまうこともあるし、異物にはテープの粘着部分が付着することになる。

見ただけでは異物がなんなのかわからない場合には、成分分析検査を実施するが、テープの糊がついていると、検査の邪魔になったり、ノリの成分が検出されてしまったりする。

6.配送時に形が崩れないか注意する

私が所属している会社の食品で、冷凍状態で出荷をし、店舗にて解凍してから冷蔵で販売する食品があった。その食品に異物が付着しているとクレームを受けた時の話。

冷蔵帯で保管・販売する食品であり、常温にすると形が崩れてしまうものだったので、配送中に製品の形が崩れないように冷凍で送ってほしいと伝えたのだが、なぜか常温で送られてきてしまった。

中身を確認すると、食品はぐちゃっとつぶれていて、異物は食品の中にまみれてどこにあるのか、わからなくなっていた。こういうことがあるのだ。

7.配送時に腐敗しないよう温度帯に注意する

消費者から腐った臭いがするとクレームがあり、製品を送ってもらったことがあった。腐敗が進行しない温度帯で送ってもらった。

仕入れ原材料に不具合があって、製造会社に送るときには、常温保管品でなければ、腐敗腐敗が進まない冷凍帯か、進みにくい冷蔵帯で送るのだよいだろう。常温帯で配送するとその間に腐敗が進行してしまうだろう。

8.細かい異物は慎重に扱う

クレーム当該品はそのままで保管しておこう、と上に書いた。

しかし、肉眼では見えにくいような非常に小さな異物が、柔らかい製品の表面に付着していたときはどうだろう。

ひょっとしたら物流中に食品と異物が混ざってしまい、わからなくなるかもしれない。そういった場合は、異物だけを取って小さい袋やジップロックをに入れるなどして、別にしておくとよい。

9.包装パッケージも残しておく

包装パッケージなども残しておくべきである。発見時にはわからなかったが、製造会社が調査を進めたら包装パッケージが原因として浮上してくることもある。

これも逆の立場の話で、クレームを受けたときの経験談である。食品に白っぽい細かい異物が付着したとクレームを受けたことがあった。こちらへ送付してもらうように依頼すると、もともと製品に使っていた紙箱の包装は無く、製品のみで送られてきた。

そして調査を進めていく中で、異物は紙箱の端が欠けたものであるとわかったので、このクレーム品の入っていた紙箱を取り寄せて確認するため店舗に連絡をすると、紙箱はすでに捨ててしまったとのことであった。

仮にクレーム当該品の入っていた紙箱を入手することができ、異物と同じサイズの欠けがその紙箱に見られたら、紙箱の紙片がその中に入っていた製品に付着した、と原因を断定できた。

しかし、このときはそれができず推測で話を進めることになってしまった。

10.入庫してから発見までの記録しておく

発見したときには、その発見状況について正確に把握しておくべきである。

また、その該当商品が入庫されてから、どう保管していたか、使用するときには、どのように使用し始めたか、必ずしも絶対ではないが、発見時の写真を撮っておくのもよいだろう。

ある飲食店からクレームの連絡があったときの話だ。そのお店の方はクレームの発生状況の記憶があいまいで、製造ロットも記録していなくてわからないと言った。そのクレームの原因を解明する手がかりを失ってしまった

たとえば、あなたの会社で仕入れた原材料の中に異物が混入していたとする。

原材料の製造会社で製造中に混入したものなのか、それとも包装を開封した後あなたの会社で混入したのか、はっきりさせなくてはならない。一番わかりやすいのは、包装を開けた瞬間に異物が入っているのを発見した場合だ。これはもともと異物が混入していたと断言できる。

しかし、あなたの会社内で包装を開封し、使用している途中に発見したとか、開封してしばらく保管しておいた後に発見した場合には、もともと包装の中に入っていたと断言することができなくなる。あなたの会社内で混入した可能性も否定できなくなる。

発見状況がどのようなものだったのかを忘れないように、簡単にでも記録を残しておくのがよい。

まとめ

あなたの会社で仕入れた品に何か不具合が見つかり、製造会社にクレームを出して調査依頼するときには、これまでに書いてきた点に気を付けるとよい。

どんな食品なのかによって、また製造会社によっても気を付けるべき点は変わる。どのようにして送るかなどわからない点があれば、製造会社に連絡をした際に聞いてみよう。

クレームの対応をする製造会社にとっては、正確な原因を特定できないと、対策の立てようがないのである。

不具合品を最適な状態に保って製造会社に受け渡し、かつ正確な情報を伝えることが、製造会社の原因特定を助ける。クレームを出す側にとっても、受ける側にとってもよいことである。

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コメント

  1. […] クレームを出す際に気を付けるべき10のこと […]

  2. […] クレームを出すときの話をしたい。クレームを出す際に気をつけるべき10のことに書いたように、仕入れている原材料に不具合があって、メーカー・仕入れ先にクレームを出すときには、まず自社に入庫したあとに発生したものである可能性がないか考えるべきだと書いた。自社内でなにも問題はなかったと証明できて、入庫する前からこの不具合は発生していたと言うことができる。 […]