“不”を見つけて取り除く、問題解決でひとの役に立つ

品質管理

製造現場で日々なにかしらのトラブルが発生する。

  • 製品に異物が混入してお客様に迷惑をかけてしまった
  • 仕入れた原材料を使いきれず賞味期限が過ぎてしまった
  • ヒューマンエラーで製品不良が発生した
  • 製造機械がよく故障して止まってしまう

その場その場でなんとか対応するけれども、少ししたらまた同じようなトラブルが発生してしまう。こういったことが繰り広げられる場所にいるひとたちには、次のような理想があるはずだ。

異物混入を無くしたい、原材料を仕入れすぎないようにしたい、ヒューマンエラーを無くしたい、製造機械を安定させたい…。

問題とは、この理想と現実のギャップのことだ。ほんとうならこうありたいなと理想があるのだが、現実では上手くいかない…。この乖離が問題ということなのである。

問題を解決していくことは、この乖離を無くして現実を理想に近づけることで、そのためには、まず問題を見つけて認識しなくてはいけない。けれども、今のままでいいでしょ、これが普通でしょ、と思っていて、問題を問題として認識できていないことがある。あるいは問題の原因は自分のところではなく他所にあると考えていることもある。

  • 製品に異物が混入してお客様に迷惑をかけてしまったけど、これは防ぐのが難しいよね。
  • 仕入た原材料を使いきれず賞味期限が過ぎてしまったけれども、私のせいじゃないよね。
  • ヒューマンエラーで製品不良が発生したけど、人間はポカミスするものだからなぁ。
  • 製造機械がよく故障して止まってしまうけど、ここをいじくれば一応はまた動くようになるからこのままでいいや。

それが普通だと思っていて問題に気がつかない。気づいても見てみぬふりする。あきらめている。でもなんとかしないといけないから、その場しのぎの対応だけはする。この行為こそ日々トラブルが繰り返される原因である。

中小食品企業の品質管理担当は、社内の様々な問題に対峙することが多いと思う。会社全体に関わっているがゆえに、複数の部門にまたがった問題とか、どの部門にも属さない問題に対応せざるをえないことがある。私の知人で食品会社の品質管理をやっていたひとがいる(今は飲食業界で品質保証の仕事をしている)。そのひとが食品会社での仕事に関してこのようなことを言っていた。

「小間使いのようにいろんなことやらされてたよ」

大小様々な問題解決を行うときには、まず問題を見つけ、問題を問題としてとらえなくてはならない。

そのためには、“不”がつくことに意識的に目を向けてみよう。“不”があるところに問題がある。製造現場にいるときには、“不”に対してアンテナをはって現場を見るようにするのだ。製造現場でなくてもよい。事務所の中だって同じだ。

不満、不平、不良、不具合、不安定、不調、不安、不便、不要、不注意、不用意、不手際、不衛生、不祥事、不作法、不徳、不幸・・・。

“不”がつく言葉にはこのようなものがある。

会社のなかでは、誰もが何かしらの不満や不平を持つだろう。製造現場では今日も不良品が発生しているし、市場から製品不具合のクレームもある。生産不安定で、製造設備が最近不調だし不安になる。この仕事のやり方は不便だし、そもそもこの作業は不要なのではないか。不注意でミスをしてしまった・・・・・。

よく周囲を見渡せば、“不”がつくことは多いことに気がつく。これらの“不”を持っているひとから、それを取り除いてあげれば、そのひとはとても助かる。“不”を見つけて無くしていくことが問題解決になるのだ。

満、平、良、具合、安定、調、安、便、要、注意、用意、手際、衛生、祥、作法、徳、幸・・・。

上記の不なんとかの言葉も“不”を取り除けばプラス側の転ずる。

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