層別(QC7つ道具)

品質管理

QC7つ道具のひとつである「層別」とは、ばらつきの原因と思われる要因ごとにデータを集計し、それぞれのデータの平均値やバラつき、変化などを比較することだ。

データにばらつきが見られたり、問題が見られたとき、その原因を探るために層別を使う。

結果に大きく影響を与えていそうな要因がある場合、その要因があるかないかでデータを2つに分け、それぞれの平均値を見てみる。もし大きな違いが見られれば、その要因が、結果に大きな影響を与えている可能性がある。

食品メーカーの製造現場では、とくに中小企業では、作業者の手作業によってつくる製品が多いだろう。

2人のひとが製品をつくっているところを考えてみよう。

製品に大きなばらつきが確認できたとする。なぜ、このようなばらつきが生まれてしまうのだろうと、作業者の技術レベルに違いあってその影響があるのでは?と考えた。

2人がつくった製品を一緒にまとめてから確認したのでわからなかったが、1人ずつ製品を分けて、仕上がりを見てみてみると、片方の作業者がつくった製品は良い仕上がりばかりで、もう片方の作業者がつくったものは悪い仕上がりの製品ばかりであったとわかった。

この例では、作業者の違いによって、製品の仕上がりにバラつきが見られていたのだ。

原因がわかれば対応策を考えることができるようになる。

 

同じ機械を2台つかって製品をつくったら

とあるメーカーで、製品重量にばらつきが見られたとしよう。機械でつくられた製品を計測すると、下のグラフのように重量にバラつきが発生していた。大きなバラつきのため、データの分布グラフで見たときの左端の軽い製品、右端の重い製品はロス品になってしまっている。

ロスを少なくするため、このばらつきをもっと小さくするにはどうしたらよいかを考えた。

stratified-40-2

機械は2台使っていて製造していて、それらの製品をまとめて製品重量の計測をしていたのだが、機械によって製品重量に違いが出ているのではないかと考えた。

母集団が、異なる平均値とバラつきをもった複数の異なる集団で構成され、母集団全体のバラつきも大きくなっている状態のとき、層別でこれを切り分ける。

そこで、2台の機械でつくった製品を一緒に合わせてしまうのではなく、製品を2台の機械ごとに分けてから、それぞれ重量を測ってみた。すると次のグラフように、平均50gの分布と平均54gの2つの分布が見られた。

stratified-40-3

それぞれの機械の設定不良で、平均50gの分布と、平均54gの分布ができてしまっていたのだ。それらを合わせて計測した結果、平均52gでバラつきの大きい分布ができていたのだ。

 

対策は簡単である。2つの機械の調整を行い、それぞれの機械でつくる製品の平均値を合わせればよいのだ。

それぞれの機械で平均52gの製品をつくれるように設定すると、最初の分布よりもばらつきの小さい分布となった。

stratified-40-4

 

「ばらつきの原因と思われる要因ごとに集計をして、それぞれのデータの平均値やばらつき、変化などを比較すること」が層別だ。

層別によって問題の所在を見つけ出し、問題解決に活用できる。ここでは、ばらつきの原因が機械ではないかと疑い、使用した機械ごとに製品を分けて重量計測し、分布を比較してみたら、2つの異なる分布ができていた、最初はそれが合わさって、見えていたということだ。

このように、異なる性質をもった2群が合わさってしまうことで、それぞれの郡の性質が隠れてしまうことがある。平均が異なった分布が合わさってしまうと、一つの大きな分布のように見えてしまうが、層別をすることでそれを見抜くことができる。

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