肝心なところは残りの1%までやり抜く

これから新規に取引を開始するお客様による工場監査があった。監査の結果、いくつか改善を求められた箇所があり、その中に賞味期限の切れた原材料が保管されてしまっていたことへの指摘があった。

当時、そのあたりのことはぜんぜん管理されていなかったのだ。すぐに改善していただきたい、とシリアスで強い指摘だった。賞味期限の切れた原材料はふつうに保管されていると、気がつかずに使用してしまう可能性があるので、原材料倉庫に置きっぱなしにしてはいけない。

監査の後に、賞味期限が切れた原材料は廃棄し、ルールもつくって、賞味期限が切れた原材料はすぐに廃棄するか、原材料倉庫からは移動することにした。

後日、一度目の監査で指摘したことが改善されているかどうか、お客様が工場を再度確認する予定があった。

監査前日には、品質管理の私が、賞味期限が切れた原材料が残っていないかどうか確認した。

すると、いくつか発見した。製造現場の原材料を管理する担当者が、管理をしているはずだったが、まだ完ぺきにできていないようだった。

そして、監査日、再度お客様が確認にこられて、原材料の保管倉庫を回っていると、期限の切れた原材料が保管棚に残ってしまっており、それをお客様は発見し、激昂した。

昨日、確認したはずだ。もう賞味期限の切れた原材料は残っていないはずだったのだが。棚のものをひとつずつ確認したのだが、全てを見きれていなかった。

その賞味期限が切れた原材料は、冷凍庫の中で、棚の後ろのほうに見えにくい箇所に置かれていた。

賞味期限が切れてずっと置かれているようなものは、作業者が見えにくいところに置いていたり、使わないので後ろに追いやったりするだろう。また、冷凍庫内で寒いので、私の確認がおざなりになったということもあるだろう。

99%は確認していたのだが、最後の1%を確認できていなかった。

あらゆる仕事で残りの1%まで完璧にやろうとしているときついかもしれないし、 8割程度力を入れて仕上げればよい仕事もあると思う。

だが、再度監査は、賞味期限切れのひとつも原材料があってはならない場面であった。肝心なところでは、最後の1%まで徹底的にやることである。そこに、重要な部分が潜んでいる場合がある。そして、管理ができていない現場担当の指導をしなくてはならないはずであったのだ。